キャシー・マデンは、演劇学科としては全米最高峰のワシントン大学大学院で教えています。
彼女の演技に特化したアレクサンダー・テクニークを応用するクラスは年間9人しか受けられません。
彼女の教え子には、ジョエル・マクヘイル、クリスティーナ・チャンのように全米のテレビや映画で活躍する俳優や、ブロードウェイの舞台で活躍する俳優たちが顔を並べています。
Integrative Alexander Technique Practice for Performing Artists: Onstage Synergy(著書)
キャシー・マデンさんに初めて出会ったのは、12年ほど前。
最初のレッスンの後で、はっきりと決めたことを覚えています。
このひとから学ぶためだったら、世界の裏側まででも行こう。
その言葉通り、私は、歌手としての全国での公演の合間を縫って、今も毎年何回か、シアトルの彼女のスタジオへ学びに行っています。
キャシー・マデンさんのワークの素晴らしさを言葉にするのは、容易なことではありません。
グループのひとり、ひとりの生徒の存在の全てを包み込むような優しさ、そのひとの、そのときの、いちばん大切なものを魔法のように見つけ出す、的確な観察 眼、創造性溢れる、効果的な提案、生徒を、本来の動きに招待する、手の使い方、どれをとっても、レッスンのたびに、ため息をついて目を見張るばかりです。
その存在と技術を裏打ちしているのは、
彼女の、アレクサンダー・テクニークと、人間に対する、大きな信頼だと私は思います。
あなたは、大丈夫。きっと、あなただけの道を見つけて、歩いていくことができる。
レッスンのたびに、私はそのメッセージを受け取って自分への信頼を増し、
具体的に実践できるアイディアを携えて、人生に帰っていくことができるのです。
キャシーさんの演劇ワークは、表現という、形のない技術を
ひとつひとつ、順番にひもといていくための、
具体的で、身体的な、効果のある実践でいっぱいです。
彼女の演劇ワークに参加して、演技とは何であるのか、
どうしたら、その世界を生きることができるのかということを
私は初めて、ステージで使える形で学ぶことができました。
行く道で壁や疑問にぶつかっている方、技術を磨き、成長したい方、
俳優という形でなくとも、何かをいのちあるやり方で表現することに興味のある方に
ぜひ、おすすめします。
鈴木重子